日本古代 土器の基礎知識

土師器

3世紀後半から7世紀にかけての約400年間、日本列島各地の有力者たちは自らの墳墓……古墳の造営に莫大なエネルギーを注ぎました。ただし、各地に遺された古墳は、大小さまざまであり、その形態もバリエーションに富んでいます。

古墳の形には前方後円墳ぜんぽうこうえんふん前方後方墳ぜんぽうこうほうふん円墳えんふん方墳ほうふんの4つの基本形があります。そして、それぞれの形態の最大規模を測ると、前方後円墳が最大の規模を誇り、その後に前方後方墳、円墳、方墳と続きます。

このことに着目した都出比呂志つでひろし先生は、墳丘の形態によって古墳被葬者の系譜や格式が表現され、規模によって実力が示されると論じます。古墳の形態と規模という二重の原理によって、日本列島各地の有力者が序列化されたあり方を、都出先生は「前方後円墳体制ぜんぽうこうえんふんたいせい」と名づけました。

野中古墳は、大阪大学文学部国史研究室、そして藤井寺市教育委員会の発掘調査によって、一辺37mをはかる小規模な方墳であることが判明しています。